カテゴリー「WEB」の9件の記事

2007.08.15

インターネット落語会(第44回)

落語協会=2007.08.11配信(全生庵2007.08.05収録)
 2007年8月中席(11日~20日) 落語協会感謝祭2007・奉納落語会(第一部)
  ◇春風亭柳朝「お菊の皿」
  ◇隅田川馬石「お初徳兵衛」
  ◇橘家圓蔵「死神」
馬石の「お初徳兵衛」が、本人も意気込んで出したというだけあって、とても良かった。ひところ“100%ピュアな純愛小説”と喧伝された幾つかの小説よりも数段にピュアな純愛物語を聴かせてもらった。「船徳」で御馴染みの、徳兵衛が船頭になるについてのお披露目の場での若い者が不始末を弁明する滑稽な部分はスッパリと端折って(因みに大師匠の馬生のCDにも、その師匠の志ん生のCDにもこの場面はある)、柳橋の船宿、大桟橋、山谷堀、首尾の松などを背景として舞台効果も満点にその物語を聴かしてくれた。この音源、なんとかPCに保存する手立てはないものだろうか。
圓蔵の「死神」、正直そんなに期待しなかったのだが、これも良かったですね。マクラでの兄弟子三平についてのエピソードに耳を傾けさせられて、そのまま本題も聴いたのだが、その「死神」もこれまで聴いたものとは若干違っていて、主人公が医者ではなく拝み屋なんですね。そして、サゲも死神がクシャミをして蝋燭が消える、というもの。その、他のものとは違うという物珍しさだけではなくて、テンポ、リズムが良くって、聴いていて気持ちが良かった。終わった後に、客席に、“どうでした”と聞いていたが、自身でも生涯の五席の一つに入る出来だと思ったのではなかろうか。

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2007.07.05

お台場寄席

フジテレビ(2006.07.20配信)
 ◇古今亭志ん五「蜘蛛駕籠」(2003.04.12収録)
このあいだ観た、志ん五の「付き馬」があまりにも良かったので、もう他にないのかと調べてみたら、この「蜘蛛駕籠」があった。これがまた滅法面白い!駕籠かき、茶屋の主人、アラクマさん、踊る客、二人乗りの客、最後に出てくる親子。これらの登場人物がそれぞれに全て面白いのだ。他の噺家のものを幾つか聴いたが、それらはその登場人物を噺家が演じている。しかし、志ん五のそれは、そのもののキャラクターが眼前に生き生きと躍動している。とにかく、その登場人物のセリフを想い出すと、そのたびにまた笑いがこみ上げてくる。本当に、これは電車の中では聴けない。志ん五は寄席でも時には、この「蜘蛛駕籠」、掛けているのだろうか。機会があれば、ぜひ生で聴いてみたい。
この配信は、まだ余計なコメントが入る以前のもので、本当に気持ち良く聴くことができました。

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2007.06.20

インターネット落語会(第38回)

落語協会=2007.06.11配信(黒門亭2007.05.06収録)
 2007年6月中席(11日~20日) ホームページ委員会落語会(その2)
  ◇林家ぼたん「金魚の芸者」
  ◇三遊亭ぬう生「手水廻し」
  ◇五街道雲助「子別れ」
ぼたんのこの噺、第444回の落語研究会でも聴いている。たしか、この時は、落語研究会始まって以来初めての女性噺家の登場だった。
ぬう生は、黒門亭で演った「五人廻し」で初めて聴いたのだが、とても良くて記憶に残っている。今回の高座は、マクラがあまり受けていないようだったが、噺は面白く聴いた。頭の長い権助がその長い頭を振り回す様には大いに笑った。
雲助をお目当てに雨の中を出向きながら満員で入れなかったことは以前にも書いたが、マクラで語っているようにこの日は風邪をひいて体調も良くないようだった。また、演じたのも通常の「子別れ」で、いわゆる“三遊の形”ではなかった。残念。

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2007.06.03

インターネット落語会(第37回)

落語協会=2007.06.01配信(黒門亭2007.05.06収録)
 2007年6月上席(1日~10日) ホームページ委員会落語会(その1)
  ◇三遊亭金翔「湯屋番」
  ◇柳家一琴「夢八」
  ◇三遊亭歌る多「悋気の火の玉」
ここで配信されているのは先月六日の高座。私も雨の中、黒門亭まで出向いたのだが満員札止めで入れなかったのだ。それが、こうしてみることが出来るのだから感謝したい。
一琴、以前見たときにはダイエットの成果なのか驚くほど痩せていたのだが、この映像を観たらまた驚くほどに肥っている。むしろ、以前よりも肥っている様だ。「夢八」は珍しい演目で、一つはこれがお目当てであの日は出向いたのだった。調べてみると、CDでは、雀々小南のものが出ているようだ。ナビゲーターの三之助も言っているが、元々は上方のものか。この噺も生で観ないと判らない部分が多いかもしれない。ここで八公が罹っている眠くなって夢を見るという病気は、今で言うと、色川さんが罹っていたというナルコレプシーというものなのだろうか。
歌る多もお目当ての一つだったが、その「悋気の火の玉」が良かった。客席からの笑いも多いように思えた。以前に、TVで観た「町内の若い衆」もいいなぁと思ったのだが、逆に失礼な言い方になるかもしれないが、なまなかな男流噺家より数段いいと思った。自身のブログでジェンダーに関することに言及されていたが、そんなことが問題になるレベルは優に超えていると思う。歌る多で「子別れ」を聴きたいと思う。それも、圓朝が改作したと言う「女の子別れ」を聴きたいと思う。
もう一つのお目当てが雲助の「子別れ」だったのだが、これは配信されないのだろうか。しかし、かえすがえすも生で観ることができずに残念。

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2007.05.13

インターネット落語会(第35回)

落語協会=2007.05.11配信(新宿末広亭2007.04.09収録)
 2007年5月中席(11日~20日) 新真打披露興行=隅田川馬石
  ◇金原亭伯楽「猫の皿」
  ◇五街道雲助「新版三十石」
  ◇隅田川馬石「子別れ」
伯楽の「猫の皿」は、最近御馴染みの演目だが、そのマクラが楽しめた。自身が触れた志ん生や文楽の思い出を語って、味わいのあるものだった。さすがにこの日は自著の宣伝はなかったようだ。
雲助の噺は初めて聴いた。可笑しくって大いに笑いました。以前に志ん輔で聴いた「夕立勘五郎」になんとなく雰囲気が似てるなと思ったら、ルーツは同じらしい。因みにポニーキャニオンからリリースされる志ん輔のCDにこの「夕立勘五郎」が収録される予定だとか。慶賀すべきことです。このネタ、音源がほとんどないですからね(『談志百席』のみか?)。
馬石のこの度の真打披露興行での演目を調べてみると長い噺ばかりをやっているようだ。池袋では一時間にもなんなんとする「文七元結」を演ったそうだが、その心意気や良し、というところだ。大初日では、羽織を脱ぐのを忘れたと言っていたが、そういえば着たっきりの熱演でした。そして、今日は脱がなくても良い噺だと「子別れ」のマクラで言っていたが、噺によってそういうキマリごとがあるのだろうか?『サライ』で雲助が身分等によって着る着物の種類も違ってくると解説していたが、そのようなキマリごとがあるのだろうか?
この「子別れ」も結構でしたが、今度は「芝浜」を聴いてみたい。

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2007.04.16

ちんたら真打日記

柳家喬太郎=i feel 読書風景
喬太郎の演題が判らなくて、あれこれ調べていると<i feel>というサイトを見つけた。紀伊国屋書店のPR誌のWEB版のようだが、残念ながら既に廃刊になって、WEB上でそのバックナンバーがNo.30(2004秋号)からNo.36(2006春号)まで残っている。その中に、喬太郎のエッセイ「ちんたら真打日記」がその第10回から第16回までの文が残っているわけだが、ウーン、第1回目からのものも読んでみたかった。残っているものを読むと、ちょうどワザオギレーベルに『喬太郎秘宝館』のシリーズを制作している頃で、このシリーズは新作のみを収録していくという方針になった、そのへんのちょっとした経緯みたいなものも読める。また、青春を題材とした自作の新作落語を違和感なくやれるギリギリの高座姿である現在の自分を絵として残して置きたいということで、落語王という所に頼んで高画質のもので収録したそうだが、それは、商品となっているのだろうか。それらしきものは検索できないのだが。
しかし、新作落語を自分で作っていくというのは、やはり、大変みたいですね。その賞味期限というものがどうしてもあるようで、次から次へと新しいものを創っていかないといけないという苦労は、並大抵なものではないのでしょう。それを考えると、圓丈、昇太、喬太郎らの営為には頭が下がります。

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2007.03.23

つくし日記

川柳つくし=つくし情報
最近、折々に川柳つくしの日記を読んでおりますが、いやぁー面白いですね。抱腹絶倒ものです。特に支障(つくしは師匠川柳をこう表記する)が登場する所は最高です。支障との愛憎劇。支障のエピソードなどは、肩を震わせて笑いながら読んでおります。支障の奥様は、事情があって娘さんの扶養家族になっており、支障は不要家族だそうです。週刊誌に載った落語家のあるランキングを見て、“いっ平に勝った”と支障は大変に喜んだそうです。TV『落語の極』に支障への出演依頼はないのだろうかと弟子としてつくしは思いましたが“あの番組は二席ネタを用意しなきゃならないから支障じゃ無理か”と納得しました。支障は楽屋に置いてある菓子類を根こそぎかっさらって自宅に持っていくそうです。支障がトリの芝居の時は、楽屋には芸人さんは一人も残っていないので、打ち上げなど一人でやる時もあるそうです。
こういう支障ですが、時には支障もつくしに客に応じたネタの選択など的確なアドバイスをする場合もあります。また、奥様は支障には内緒でつくしを食事に誘ってくれます。ですから支障のためにも、支障の代演が出来るように早く真打になりたいと思っているつくしです。
こんな支障とつくしの絡む部分に他の登場人物をアレンジしたら面白いドラマが出来るんじゃないかと思うのですがどうでしょうかね。私は、秘かに川柳をなぎら健壱、つくしを斉藤由貴というキャスティングでと考えております。本当に実現できたらなぁと夢見ております。
それから、生でつくしをまだ聴いていないので、ぜひ聴きたいと思っております。

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2007.02.09

お台場寄席

フジテレビ(2007.02.08配信)
“つかちゃん”という方が担当になってから、落語の前と後に言わずもがなのコメントが付くようになった。コマーシャルも入れて、正味2分ほどの長さ。割合から言えば、Gyaoの本編の前に入る長~いコマーシャルとそう変わらない。そのコメントのおかげで、HDDの容量も目減りすることになる。どうか、当初のように、簡潔に“フジポット、お台場寄席”とまったりとした口調で始まるあのスタイルに戻って欲しいものだ。
圓太郎は、好きな噺家で、いつだったか落語研究会で演った「甲府い」は、人情噺としての「甲府い」として再認識した次第。また、「棒鱈」に出てくる田舎侍とか、この「試し酒」の久造のような田舎者を演じても独特の風情がある。もっと聴きたい噺家だ。

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2005.05.03

インターネット落語会

◆会場=谷中全生庵
◆日時=2003年8月10日(日)12:30開演
  ◇桂文朝 「唖の釣」
落語協会のホームページのインターネット落語会で、文朝を追悼して「唖の釣」を映している。マクラでは、これもお馴染みのトリの三つの資格を喋っている。①人格、②財産、③偏差値。噺も面白い。そして、あのとぼけた表情がなんとも言えないのだ。改めて惜しい噺家を喪った。

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