志ん朝の「幾代餅」
雲助の「幾代餅」がとても良かったので、志ん朝のものも聴きたいと思ったのだが、市販されているCDには収録されていないんですね。DVDの演目一覧を見ても収録されていないようだ。まぁ、ソニーから出ているCDは、三百人劇場での『志ん朝の会』を主に収録しているのだから、その会の演目を『よってたかって古今亭志ん朝』の貴重な資料で調べると、「幾代餅」は口演されていないので、当然といえば当然かもしれない。
それではと、『ご存知古今東西噺家紳士録』で検索してみたら、昭和53年3月31日の落語研究会(第119回)、昭和55年12月29日の東横落語会(第240回)、そして、平成8年10月28日の紀伊國屋寄席(第382回)で各々1回口演している。他には、平成12年5月4日にTORII寄席、前述の『よってたかって古今亭志ん朝』によると、平成6年11月11日に大須演芸場で口演している。東京落語会、三越落語会では口演していない。
ほかのホール落語会などで、もっと高座に掛けてはいるかもしれないが、ざっと調べただけでもあまり頻繁には掛けなかった演目と言ってもいいのではないだろうか。そう頻繁には掛けなかった理由というものを知りたいなと思うのだが、『志ん朝の走馬灯』のなかの「志ん朝七夜をめぐって」をさらっと読んでみても、「幾代餅」に触れている箇所はないようだ。京須さんは「幾代餅」を希望演目として志ん朝に言わなかったのだろうか?志ん朝の方からの予告演目になかったから、催促できる雰囲気ではなかったのだろうか?あるいは、志ん朝も京須さんも「幾代餅」が、それほど好きな演目ではなかったのだろうか?聞いてみたい質問だ。
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