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2009.11.07

しんうら寄席(第18回)

◆会場=浦安市民プラザWave101(小ホール)
◆日時=2009年11月7日(土)14:00開演
  △三遊亭玉々丈 「名古屋版金明竹」
  ◇隅田川馬石 「強情灸」
 仲入
  ◇隅田川馬石 「文七元結」

はじめてのしんうら寄席。なかなかよい会場だ。椅子もゆったりとして座り心地が良い。高座も立派。60席あり、今日の入りは7割程度か。先日のひぐらし寄席でネタ出しされていた「文七元結」を聴けなかったので、今日はネタ出しされていなかったが、あるいは今日も「文七元結」を演るかもしれないと期待して出掛けたのだが、期待通りに「文七元結」を演ってくれた。そして、もう一席も予想通りに「強情灸」だった。
玉々丈、今月下席より二つ目昇進。
馬石の、「強情灸」は聴くたんびに面白くなる。はじめて馬石のこの噺を聴いた時には、とても平板に思えたのだが、今はメリハリも効いて心地良く聴くことができる。そして、初めて聴く馬石の「文七元結」だが、これはもう期待を上回る出来! 以前から長講人情噺には定評がある馬石だが、滑稽噺でのテンポの良さが人情噺にも磨きをかけているように思う。およそ一時間の口演だったが、少しも退屈さを感じさせることなく丁寧に演じてくれた。私は、この高座も名演十撰に入れたいとも思ったが、馬石のほうに少しの躊躇があったように感じたのだ。それは、今日の客がそんなに頻繁に落語を聴く客ではないんじゃないか? 子供さんが客として居るのにこの噺は適当なのか? という懸念があって、十二分に演じることに躊躇があったのではないかと感じられた。というのは、一席目のマクラで隅田川馬石という名前の由来について語った時に古今亭志ん生の名を言っても客席から捗々しい反応がなかったからであり(しかし、これは例えよく知っていてもそのことを誇示しない奥ゆかしいお客だったとも思う)、また、今日は客席に二、三名の子供さんがおり、二席目のマクラで、休憩時間にその子供さんがお父さんに“お灸ってなに?”と訊いているのを耳にしたといって、その説明を子供さんにしていた。「文七元結」の中で何度も“瘡をかく”と言うことに躊躇いもあったと思う。恐らく、その親御さんは笑点のようなものを聴かせようとしたかもしれないし、また一方、馬石としては、長い持ち時間があれば、やはりミッチリと演りたいだろうし、これは、どちらとしても致し方のないことだろう。因みに、今日のこのお子さんは、長講「文七元結」の時も実に行儀良くしていた!

休憩時間には、主催者の女性の方がお茶をいれて客に振舞っていた。気に入った顔ぶれの時はまた足を運ぼうと思う。

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