黒門亭(十月第四週)
◆会場=落語協会
◆日時=2009年10月24日(日)12:00開演
△林家扇 「桃太郎」
◇入船亭扇里 「紋三郎稲荷」
◇橘家圓十郎 「紙入れ」
仲入
◇古今亭菊生 「粗忽長屋」
◇隅田川馬石 「首提灯」
扇、二週連続。黒門亭の前座の出演は、どういう仕組みになっているのだろう。単に空いているものが出演するのだろうか。寝巻きをパジャマと言っていたが、愛嬌です。先代小さんも、袴をズボンと言ったことがある由。
扇里は初めて。「紋三郎稲荷」も随分以前に扇辰のものを聴いていて好印象を持っていたのだが、扇里の口演は、よりこの噺の雰囲気に近い話振りで、尚更に好印象を持った。ハネてから、客を送る様子も何となく柔らかい感じで、高座にもそんな様子が感じられた。機会があれば、また聴きたい噺家。
圓十郎。チラシには若圓歌となっていたが、代演か。いやにテンポの速い「紙入れ」。そんなに急ぐのなら、もっとマクラを短くすればいいのにとも思うのだが。しかし、これが圓十郎の本来のテンポなのだろう。最後に、亭主が、“忘れたのはこの紙入れか”と紙入れを新吉に見せるのは、寝取られた男は“おおかた、こんな顔しとるやろ”と顔を見せるという上方風なのかしら?
菊生は、上手いと思う。顔もいいし。ただ、器用すぎると思う。いま少しの破綻が欲しい。
馬石、今日のお目当て。そしてお目当ての「演目」。生で未見だったこの演目を一度は観たいと思っていたが、満足です。斬られた首が徐々にずれていく所もしっかりと観ることができました。ところで、今日の馬石は、自身の思うところ、また得た知識などを語ったマクラも大変に良かったと思う。自信も感じられ、本題との有機性も感じられた密度の濃いマクラだったように思う。そして、あんなにも狭い高座でも座布団を外して挨拶をしていました。
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