黒門亭(九月第二週)
◆会場=落語協会
◆日時=2009年9月13日(日)12:00開演
△三遊亭多ぼう 「道灌」
◇桂笑生 「写真の仇討」
◇古今亭八朝 「幇間腹」
仲入
◇丸山おさむ 声帯模写
◇古今亭志ん橋 「突落し」
多ぼうを、思いもかけず今日久し振りに聴くことができて、嬉しく思います。なんか、マッタリした感じが良いですよね。隠居も実に可愛いのです。後にあがった、笑生、八朝から各々“シュールだ”、“中学生みたいだ”と言われながらも、“後々、大化けする”と称賛されていました。
笑生の噺は勿論初めて。八朝によると、笑生は珍しい噺をよく掛けるとかで、そこに活路を見出しているというようなことを言っていたが、私は、笑生はオーソドックスな噺でも充分に笑えるフラを持っていると思うのですが。
八朝は、黒門亭開始以来、その委員長を務めてきたが、今月一杯でその任を降り、蔵之助がその後を継ぐそうだ。これまでの苦労話などを少しく語っていた。御苦労様でした。また、マクラで、志ん朝は、落語研究会では気を入れていたが、東京落語会では、ちょっと加減をしていたというようなことも語っていた。それは、東京落語会は、放映時間が決まっているので、かなり編集の手が入るからだそうである。そうですね、『日本の話芸』、大幅カットですものね。
丸山おさむが今日のお目当て。今日が黒門亭デビューとのことで、メクリも用意されていませんでした。平成天皇、美空ひばり、石原裕次郎、小林旭、橋幸夫、西郷輝彦、加山雄三、田中邦衛、桑田佳祐等の模写をしたが、正直な所、それほど圧倒的に似ているとは思わなかった。丸山自身が言っているように、その対象への愛、批評性が肝要なんだろう。ただ、今回初めてということもあってか、その批評性も十全には感じることが出来なかった。しかしながら、全体として大変面白く聴きました。特に美空ひばりの『悲しき口笛』をデビュー当時と大スターになってからの唄い分けなど、面白く聴きました。
志ん橋の「突落し」が今日一番。この噺、生で聴くのは初めてだが、噺自体はくだらないんだけれど、志ん橋のメリハリの利いた丁寧な語り口が、そのくだらなさを倍化させ、馬鹿馬鹿しくも面白い口演となった。今までは、その語り口に馴染めない所があったのだけれど、今後、嵌りそうです。ところで、今月、紀伊國屋寄席でも、この噺を口演するようだが、よい予行演習になったのではないだろうか。というより、今日の客は、志ん橋の噺にジックリ聴き入り、志ん橋も演りやすかったのではないだろうか。
| 固定リンク
コメント
はじめまして。
桂笑生さんのファンの者です。
私も昨日、黒門亭の1部に伺いました。
笑生さんはオーソドックスな噺もよくなさいまして、
とても丁寧にきっちり語ってくれます。
勿論、面白くていっぱい笑えますよ。
今後、注目してくださったら、嬉しく思います。
志ん橋師匠の「突落し」、面白かったですね。
引き込まれて、長さを感じませんでした。
投稿: はしこ | 2009.09.14 10:30
はしこ様
コメント有難うございました。
独演会など、機会がありましたら、足を運びたいと思っています。
しかしながら、笑生さんが小朝師匠から破門された理由というのが、噺を教わりに行った先から帰るのが遅れたからというのは事実なのでしょうか?事実とすれば、ちょっと理不尽だなと思ったりもします。
志ん橋師匠の噺は、耳にクッキリと残りました。女性の方たちもよく笑っていましたね。
今後とも、よろしく御願い致します。
投稿: 龍→はしこ | 2009.09.14 23:03
龍様
ご返信ありがとうございます。
本当に理不尽なことだと思います。(この場ではこれしか書けません。小心者なので。)
そういうこともあって、応援する気持ちが強まりました。
二つ目では最後の独演会がついこの間、8月30日に池袋演芸場であったんですよ。
「尼寺の怪」「代脈」「唐茄子屋政談」を口演されました。
全部面白かったですが、私は特に、「唐茄子政談」の後半部分の軽快なまとめかたが気に入りましたし、
熱演に引き込まれました。良かったです。
今後とも、宜しくお願い申しあげます。
投稿: はしこ | 2009.09.15 14:15
はしこ様
御丁寧に有難うございます。
そうですか、最後の独演会でしたか。残念です。
来春の鈴本での昇進披露興行、是非、伺いたいと思います。期待しております。
投稿: 龍→はしこ | 2009.09.15 21:06