新宿末広亭五月中席
◆会場=新宿末広亭
◆日時=2009年5月16日(土)16:00頃入場
◇桂文生 漫談
◇翁家和楽社中 太神楽曲芸
◇柳家小里ん 「棒鱈」
――――――――――――――――
△三遊亭多ぼう 「牛ほめ」
◇五街道弥助 「鰻屋」
◇笑組 漫才
◇入船亭扇好 「看板のピン」
◇橘家圓太郎 「勘定板」
◇三増紋之助 曲独楽
◇初音家左橋 「お菊の皿」
◇三遊亭圓丈 「ランゴランゴ」
◇林家正楽 紙切
◇春風亭一朝 「芝居の喧嘩」
◇入船亭扇遊 「干物箱」
仲入
◇隅田川馬石 「強情灸」
◇すず風にゃん子・金魚 漫才
◇むかし家今松 「後生鰻」
◇金原亭馬の助 百面相
◇鏡味仙三郎社中 太神楽曲芸
◇五街道雲助 「幾代餅」
文生の途中から入る。亡くなった文生のお兄さんの墓参りに行って寄席に入るのが遅れたというようなことを話していた。お兄さんの命日が、先代小さんと同じだとか。そして、そのお兄さんが、なかにし礼氏のお兄さんのような人だったとか。
小里んの「棒鱈」、初めて。小里んのカッチリした噺をもっと聴きたい。
多ぼう。ようやく観ることができた。和風美人。まだ自信なさげに恐る恐る演ってる風があり、それが客席にも伝わり、そのために応援の笑いが客席から起こっていたのだと思う。しかし、与太郎の演出は真打が演っても難しいものがあるのだし、父親や叔父さんのところはソツなく演っていたのだから、これから大いに楽しみ。
弥助の「鰻屋」、三度目。
圓太郎の「勘定板」、おおいに笑いをとっていた。余裕の高座。
左橋は、BSでやっている六人衆では感じなかったプロの噺家のオーラを感じた。なかなか眼光が鋭い。しかし、マクラで草剪事件に関連して、“あれで、逮捕なら噺家は全員逮捕ですよ。川柳師匠なんか死刑ですよ”と言ったのには、大笑い!
圓丈の「ランゴランゴ」は五年ほど前に『日本の話芸』で放映されたときに観て以来。実に面白い!録画していたのを改めて観たが、まだその時には判らなかったものが判って、面白さ倍増。しかし、圓丈、少し痩せたか?老いも感じさせる印象だったが、噺に入ると、パワー全快。ワザオギから出ている圓丈のシリーズにも是非この「ランゴランゴ」、入れて欲しいですね。
正楽。久々の感じ。しかし、楽しいです。相合傘、土俵入り(雲竜型)、ゴルファー、藤娘、富士山、富嶽三十六景。インフルエンザとの声もあったが、それは聞こえなかったようだ。
一朝の「芝居の喧嘩」、四度目。
扇遊の「干物箱」、先日、BSで放映されたものを観たばかり。それを生で観ることができて、とてもラッキー!
馬石の「強情灸」は、初めてだが、ここのところよく言っている馬石の滑稽噺の面白さが、如実に現れた一席。馬石自身の自信も垣間見ることができたように思う。
今松。「後生鰻」、この噺は最近寄席ではあまりかからないのではないだろうか。現正蔵の襲名披露で現木久蔵が演ったのを聴いて以来。今松は、この芝居で、先日、「近日息子」を演ったようだが、それも聴きたかった!この噺、市販されているCDでは、春團治のものがあるのみだと思う。今松は、珍しい噺を掛けてくれるので、その楽しみもある。
馬の助は、馬生の代演。馬生も聴きたかったが、久々に観た百面相も実に楽しかった!これぞ寄席の醍醐味というところか。
仙花を久々観ることができて嬉しく思っています。毎度同じことを書きますが、五階茶碗を演る時の二の腕と、それを無事終えたときに見せる安堵の表情を観ることができて、とても満足です。
雲助の「幾代餅」は、二度目だが、この噺を滑稽噺という雲助の、楽しくって、しかもホロリとくる話芸を堪能。そして、大籬とか蹴転とかちょん格子等の言葉が郭噺を聴いていることを実感させてくれます。この辺が、雲助を聴く醍醐味でもありますが。因みに、幾代が清蔵の所へ来るのは3月14日。
今日は、二階席も開く盛況でしたが、実に充実した番組でした。どれもが素晴らしい高座でした。まさに寄席を満喫したという思いです。
| 固定リンク
コメント