新宿末広亭一月下席
◆会場=新宿末広亭
◆日時=2009年1月23日(金)16:00頃入場
◇三笑亭夢丸 「紅い手」
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△春雨や風子 「子ほめ」
◇春風亭柳好 「浮世床」
◇宮田陽・昇 漫才
◇三遊亭遊喜 「初天神」
◇春風亭昇乃進 「大安売り」
◇松旭斎小天華 奇術
◇神田松鯉 講談
◇桂平治 「壺算」
◇桧山うめ吉 俗曲
◇柳亭楽輔 「替り目」
◇昔々亭桃太郎 「結婚相談所」
仲入
◇三遊亭圓馬 「弥次郎」
◇ぴろき ギタレレ漫談
◇古今亭寿輔 漫談
◇三遊亭遊三 「長屋の花見」
◇鏡味正二郎 太神楽曲芸
◇三笑亭茶楽 「明烏」
初めての落語芸術協会の興行。落語協会の興行と比べてマッタリとした感じ。ギラギラとしていないという感じ。16時頃に入場したのだが、失礼ながら、そんなに客は入っていないだろうとの予測は外れ、一階席、桟敷席ともにほぼ満席。落語芸術協会の固定ファンという方もいるのかもしれない。夜席は、後ろ四列にロープが張られ、予約客が入るようだ。入った客は若い女性が二、三十人ほど。どういうグループなのかしら?
演目が全体としてオーソドックスなものだった。もう少し、珍しい噺も期待していたのだが…。
昼席は、夢丸がトリで、“夢丸新江戸噺し2009年度寄席興行”と題しての芝居。
夢丸の噺は、2008年度審査員特別賞受賞作品。入場したばかりで、桟敷席の上がり框に腰をかけて聴いたので、あまり集中できなかった。機会があれば、もう一度、じっくり聴きたいものだ。怪談噺。
風子は、春雨や雷蔵の弟子。女性です。落語芸術協会のホームページの芸人紹介では、前座の師匠名は載っていないんですね。なんとか載せてほしいものです。プロフィールによると昭和55年生まれだそうです。こみちと比べ、高座返しがちょっと雑な感じがした。
柳好は、もうなにも言うことはありません。TVなどで、昇太とのカラミで観るとき等は頼りなさそうな役柄を演じているが、そんなことはありません。堂々とした真打です。
遊喜、小遊三の弟子。
昇乃進、柳昇に入門。現在、小柳枝門下。いい意味での軽さがいいですね。「大安売り」も良かったと思います。
小天華、登場して長い間、一言も喋らないので、奇異に思っていたが、後半、ちゃんと喋りました。しかし、思うにこれがクラシックな奇術のスタイルなのかもしれません。今時のマジシャンは、とにかくベラベラ喋りすぎる。
松鯉の『河内山宗俊卵のゆすり』、良かったですねぇ!渋くって。張扇もタップリ聞きましたし。
平治、幸丸の代演とか。平治ももう何も言うことはありません。
うめ吉。始めに記したとおり、落語芸術協会の興行は初めてなのだから、“浅草お茶の間寄席”ではしょっちゅう観ていても、生で観るのは、全員初めて。うめ吉は、艶やかで可愛らしく、最後は、『春雨』も踊ってくれました。しかし、うめ吉の声は、か細くよく通らない。その点、プロとしては物足りないと思う。CDなどを聴いていても、声に芯がない気がしていたのだが。
楽輔も派手さはないが、好きな噺家です。オーソドックスな「替り目」だけど、なんとなく可笑しい。
桃太郎の古典を期待していたが、まぁ、今、売り出し中だから、そう簡単には演らないでしょうね。TVやCDと寸分違わぬマクラ、そして「結婚相談所」を聴かしてもらいました。
圓馬も、何も言うことはありません。いちどじっくりとトリで聴きたい噺家。この前、TVで桃太郎が演った「弥次郎」とは大違い!
ぴろきは、正月のNHKで太田が、最近人気が出ていると言っていたが、正直、ちょっと私にはその良さが未だ判りません。滅入ってしまう自虐ネタは、聞いている客が辛い。
寿輔と茶楽との一種のリレーを期待していましたが、しかし、漫談でも充分に満足です!とにかく生で観ることができたのですから。
正二郎は、五階茶碗を一人で演っていました!
茶楽も今日のお目当て。しっかりとした「明烏」でした。私は、茶楽を銀髪ではないけれど、落語芸術協会の小朝だと思っています。茶楽に言わせれば、“冗談言っちゃいけないよ、小朝と比べるなんて”と叱られるかもしれませんが。
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