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2008.12.20

鈴本演芸場十二月中席

◆会場=鈴本演芸場
◆日時=2008年12月20日(土)17:20開演
  △林家たい木 「初天神」
  ◇五街道弥助 「鰻屋」  
  ◇翁家和楽社中 太神楽
  ◇柳亭市楽 「やかん」
  ◇柳家さん生 「粗忽の使者」
  ◇伊藤夢葉 奇術
  ◇林家正蔵 「悋気の独楽」
  ◇柳家さん喬 「片棒」
 仲入
  ◇すず風にゃん子・金魚 漫才
  ◇隅田川馬石 「金明竹」
  ◇柳家小菊 粋曲
  ◇五街道雲助 「芝浜」

《雲助冬模様楽日》
鈴本は、客が多少多くなると入場に手間取る。モギリを増やすなどの工夫が出来ないものか?入場したときには、前座が始まっていた。まだ前座だというが、相撲ファンが序の口から観たいように、前座から観たい客もいるのだから。
たい木、途中から。
弥助の時に、ハプニング。なんだか焦げ臭い臭いがするなとは思ったのだが、高座の途中で火災検知器がなる。弥助も高座をあっち行ったり、こっち行ったり。楽屋からの“つなげ”の指令があり、客席から“カッポレ”“謎かけ”の声が飛び、“スイマセン、出来ません”と断り、しかし、なんとか最後まで高座を演り終えた。隣の焼き肉屋でボヤがあったそうだ。今日は楽日の打ち上げで、その分、師匠にタップリ飲ませてもらうと高座で言っていた。弥助さん、御苦労様でした。
市楽、協会の自己PRで、“わかりやすく面白い”芸をと言っているが、それを感じさせる高座だった。
さん生の「粗忽の使者」も良かったですねぇ。昨日の文生とはまた違ったフラがあって。
正蔵。マクラが昨日と全く同じだったから(泰葉のプロレス、息子の話、あたかも)、ええっ、まさか今日も「新聞記事」かと思いヒヤリとした。しかし、「悋気の独楽」、良かったです。
さん喬の「片棒」が久し振りに聴けると思ったが、銀までだった。残念。仕方がない、CDで渇を癒そう。しかし、やっぱり、上手いですよね。
馬石の「金明竹」は、何度か聴いたが、この噺がというより、滑稽噺が面白くなってきた。その滑稽噺に安心して身を任せられるようになってきたと思う。近くに居たお嬢ちゃんが、本当に素敵な声でケラケラと笑っていた。
雲助。今年の聴き納め。口幅ったいことを言うようだが、この「芝浜」は、いろんな意味で、少しの瑕疵もない完璧な高座ではなかろうか。高座が終わってから幕が降りきるまでの長い間の万雷の拍手がそれを物語っているようだ。
それを具体的に言うと、まず瑣末的なことだけれど、言い間違い、言い淀みが皆無だった。このことは、確かに瑣末的なことだけど、噺をリズムよく聴くためには重要なことだとも思う。そして、マクラの妙。この日の高座では、マクラで雲助が子供の頃の正月風景を語っていたが、その門々に飾られた笹の竹が噺の終末部に効いてくる。そして、さらに、女房が子供を身篭るという吉報。子供が居たり居なかったり、演者によって様々だが、子供を授かるという雲助の演出が、“いい正月だなぁ”という勝五郎の言葉に厚味を持たせていると思う。
余談だが、他の噺でも出てくる、震えている風呂敷に“風呂敷が風邪ひきますよ”と言う米屋の主人の言葉には、ホロリときてしまう。

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《雲助冬模様》
初日=「夢金」
二日=「宿屋の富」
三日=休演
四日=「掛取万歳」
仲日=「富久」
六日=「火事息子」
七日=「鰍沢」
八日=「二番煎じ」
九日=「夜鷹そば屋」
楽日=「芝浜」

投稿: 龍 | 2008.12.21 23:27

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