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2008.07.26

鈴本演芸場七月下席

◆会場=鈴本演芸場
◆日時=2008年7月26日(土)17:20開演
  △三遊亭歌る美 「たらちね」
  ◇五街道弥助 「子ほめ」  
  ◇鏡仙三郎社中 太神楽
  ◇桂さん生 「替り目」
  ◇桃月庵白酒 「壺算」
  ◇三遊亭小円歌 三味線漫談
  ◇金原亭伯楽 「たがや」
  ◇五街道雲助 「お菊の皿」
 仲入
  ◇ホームラン 漫才
  ◇春風亭正朝 「金明竹」
  ◇伊藤夢葉 奇術
  ◇隅田川馬石 「締め込み」

歌る美が一皮剥けていました。高座返しをしていたのですが、立ち居振る舞いにも余裕が見えました。メクリを返す時にも、あるいは夢葉の道具を運ぶ時にも、キュートな、おきゃんな表情を見せ、笑顔が絶えませんでした。髪にはパーマをかけていました。女っぷりが一段と上がっていました。勿論、高座そのものも、持ち前のエキセントリックなキャラクターが一段と冴え、凛としたつる女の様子がとても良かったのです。追い出し太鼓も、歌る美が叩いていました。見上げると、歌る美と目があったような気がしたので、応援してますよと心の中で呟きました。たん丈と歌る美の二人会というものを夢見ています。
弥助の「子ほめ」は、しかし何度も聴いたなぁ。この時間帯では仕方ないか。
仙三郎仙花。仙花、久し振り。五階茶碗を演る前はやはり緊張した様子。顎の汗を拭って始めた。無事終えた時は、やはりニッコリと安堵の表情、これがまたいいんですよね。今日は、仙三郎が土瓶の芸を演る時には、いつもは仙三が演っている解説というか合いの手を仙花が演っていた。真面目な顔をしてやるものだから、これがまたいいんですよね。
さん生、マクラで笑わせていました。『理想の居酒屋論』には納得できるものがありました。
白酒の「壺算」も何度目かな?猿の運転手のマクラも。しかし、私は未だにこの「壺算」の謎が解けないのです。
小円歌、久し振り。しかし、私が寄席通いを始めた頃に聴いた小円歌と全く同じ内容。
伯楽の「たがや」、先日、TVで放映されたものとマクラも含めて殆ど変わらなかった。しかし、やはり生で聴くと、その両国橋の喧騒が目に観えるようです。
雲助の「お菊の皿」は確か二回目だと思うが、いや、面白かったですね!能天気な江戸っ子たちの馬鹿馬鹿しさが本当に素晴らしい!今日、TV放映された喬太郎のものも面白かったが、やはり元祖雲助の自家薬籠中の高座は一日の長がありました。余談だが、喬太郎のデフォルメは楽しめるけど、志の輔のデフォルメは何故か鼻につくんだなぁ。
ホームラン、面白いです!今まで、名前と人物とがなかなか一致しなかったけど、ようやく覚えました。ホームラン、ホント面白いです。二人共に面白い。
正朝のときに、前の客が頻繁に左右に身体を動かすので高座が非常に見づらかった。そのため高座に集中できずに大変残念。
馬石。非常に良かったです。このところ、浅い所での滑稽噺に今ひとつ満足できないものを感じていたが、今日はいい高座でした。いままで、この噺、滑稽噺としてのイメージが強かったのだが、今日の馬石の高座は、泥棒に入られた夫婦の見事な人情噺。その夫婦の各々の手の所作も微に入り細に入った肌理細かな芸。人の良い泥棒も手触りのあるものでした。滑稽噺を演る時のような平板さは微塵もありませんでした。来月二日の「お富与三郎」も今から楽しみです。

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