東穀寄席(第97回)
<若手落語家勉強会>
◆会場=東穀ホール(東京穀物商品取引所1F)
◆日時=2008年5月23日(金)18:00開演
◇三遊亭好二郎 「しの字嫌い」
◇桂平治 「鈴ヶ森」
◇三遊亭歌彦 「悋気の独楽」
◇口上=藏之助、遊馬、平治
◇橘家藏之助 「幇間腹」
◇三遊亭遊馬 「井戸の茶碗」
この寄席は、インターネットや葉書等で申し込んで抽選で当たれば入場券が送られてくる。無料である。私は、これまで、こういう類のものに当たったためしがない。だから申し込んで以来、どうせまた外れだろうと思っていた。ところが、開催日の一週間ほど前に入場券が入った封書が郵便受けに入っていた。無料の寄席に、あまり注文をつけるのもどうかとも思うが、前に座高の高い人が座ると高座が見えないので、もう少し高座を高く設置してもらいたい。そうすると、最前列の人が高座を見上げる形になり、首が痛くなるので最前列と高座との距離を離す。これは、他の会でも、こうしてもらうと観客としては噺にも手中できて、とても有難いのだが。しかし、こうすると定員数が少なくなるので主催者としては納得できないだろうけれども。
好二郎は、CSテレビで以前に観たことがあるが生では初めて。いいですよね。
歌彦も、今秋に真打昇進を控えているが、ただ順番になったというのではなく、充分な実力の持ち主と思っています。この歌彦が、ニフティ寄席で演った「子別れ」は、なかなかのものでした。
口上は、現在、真打昇進披露目興行の真っ只中の遊馬が狭い高座に座り、その高座の両脇に藏之助と平治が座り、口上のようなものを。
平治について、いまさら言うこともないでしょう。実力者。
藏之助は、BS2のお好み寄席でのアドバイザーとしては知っていたが、生で、しかも噺を聴くのは初めてではないか。しかし、その軽みがよかったですね。
遊馬は、私も嫌いではない。フラもあるし。しかし、声は大きいのだが一つ一つの言葉が連なって纏わり付いて明晰ではないのだ。そのために声は大きいのに聞き取りにくいことが間々ある。大事な機微が聞き取れないのは、大いにマイナスではないかと思うのだが。
終演がピッタリ20時(これは、厳守されているのだろう。かなり慌しかった)。仲入も無く、二時間座ったままで居るのは、やはりシンドイ。前座も無く、高座を終えた演者が高座を返し次のメクリを捲っていた。ただ、高座を終えた噺家が袖に下がるときにも必ず客席から拍手が起こっていたのは、97回も数えているこの会のほのぼのとした暖かさを如実に示しているのかもしれない。
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