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2007.11.24

鈴本演芸場十一月下席

◆会場=鈴本演芸場
◆日時=2007年11月24日(土)17:20開演
  △柳家小んぶ 「道灌」
  ◇鈴々舎風車 「動物園」
  ◇大瀬ゆめじ・うたじ 漫才
  ◇三遊亭歌武藏 漫談
  ◇柳家三三 「悋気の独楽」
  ◇大空遊平・かおり 漫才
  ◇柳家さん喬 「替り目」
  ◇五街道雲助 「家見舞」
 仲入
  ◇ひびきわたる きせる漫談
  ◇桃月庵白酒 「子ほめ」
  ◇柳家小菊 粋曲
  ◇隅田川馬石 「芝浜」[20:12~20:49]

開演前からかなりの人が並んでいる。列がなくなるのを待っていたら、結局、五時を過ぎてしまった。席を確保して、トイレへ行ったりビールを買ったりしているうちに、前座が噺を始めた。もっと、効率よく入場させて欲しいものだ。
小んぶの噺は、というわけで後ろの扉から入り、最後列の席で聴いた。この段階で、後ろ三列の席が空いているのみの状態。小んぶは初めて聴く。さん喬の弟子。ちょっと、滑舌が悪いように思った。そして、いま少し若さも欲しいと思った。
大瀬ゆめじ・うたじ、相変わらずの鰻は洋食か和食か。
歌武藏、御馴染みのマクラから、朝青龍問題における高砂親方の対応など。
三三、上手いのだろうけれど、険があるというか、ちょっと引いてしまう。
雲助のこの噺も二、三度は聴いているだろう。近くの席の家族連れのお父さんが男の子に、“今の噺、判った?”と聞いたら、その男の子、“わかったよ、を代官様にあげる話だよ”と言っていた。
ひびきわたるを大木こだま・ひびきと勘違いしていた。そうだよね、大木が出る筈はないよね。初めて聞く。上着のいろんな所からキセルを取り出して、そのキセルで赤ちゃんとか、トドとかオットセイとか馬とか、などのモノマネをする。結構、笑いをとっていた。
白酒の「子ほめ」は初めて。馬石への配慮か、適当に端折ってはいたが、随所に白酒らしさが顕われていた。馬石もよい兄弟子を持って幸せである。
小菊、相変わらず素晴らしい。スタンダードナンバーの蛇を終えたところで二の糸が切れるハプニング。小菊、慌てず騒がず糸を張る。お陰で糸を張る様子を見ることが出来た。そのために、スタンダードナンバーのナメクジは省かれて、都々逸へ。都々逸の文句は何一つ覚えてはいないが、小菊の三味線で都々逸を聴く。これだけでいいのです。
馬石の「芝浜」、良かったですね!正直な所、これまでに聴いてきた今日の高座が殆ど聴いた噺ばかりだったので、新鮮味に乏しかったのだけれど、まさか今日、馬石で「芝浜」を聴けるとは思いもしていなかった。私がこれまでに聴いた「芝浜」とは違う点が二箇所あって、一つは、切通の鐘を浜へ行く途中ではなく、浜に行って煙草を吸いながら聞くということ。もう一つは、大金を拾ったと思い大散財をして途方にくれる勝五郎におかみさんが平手打ちをするところ。そういう意味でもなおさらにこの高座の新鮮さを感じた。相変わらずに表情もタップリの高座で、私はもう勝五郎が心を入れ替え、かつての馴染みの客の所へ魚をもっていくところで既に涙が止まらなくなってしまった。酒を注いでからの勝五郎の呵呵大笑も、その幸福感を感じさせるものだった。欲を言えば、前半で勝五郎のどうしようもない呑んだくれ振りをもう少し演出して欲しかったが、時間の都合もあったかもしれないし、またそれが馬石のスタイルかもしれない。
終演後、後ろを振り返ってみれば、ほぼ満席の様子だった。

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今興行の、馬石の演目。
 21日=「火焔太鼓」
 22日=「明烏」
 23日=「二番煎じ」
 24日=「芝浜」
 25日=「子別れ」
 26日=「中村仲藏」
 27日=「景清」
 28日=「居残り佐平次」
 29日=「文七元結」
 30日=興行なし

投稿: | 2007.11.30 22:53

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