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2007年10月の2件の記事

2007.10.25

落語研究会(第472回)※

◆会場=国立劇場(小劇場)
◆日時=2007年10月25日(木)18:30開演
  ◇立川志の吉 「看板のピン」
  ◇柳家我太楼 「転宅」
  ◇桂歌丸 「城木屋」
 仲入
  ◇入船亭扇遊 「蜘蛛駕籠」
  ◇柳家さん喬 「真田小僧」

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2007.10.01

真景累ヶ淵

三遊亭圓朝=岩波書店
遅まきながら読了。なんたる因果応報の物語!豊志賀の所だけ聴いていたのでは判らない身の毛もよだつような因縁。新五郎とお園、新吉と豊志賀。新吉とお久。新吉とお累。腹違いの新吉とお賤。種違いのお賤と甚蔵。そして幾つもの血を吸った鎌。全体を読み終えたあとに聴く「豊志賀の死」の格別の面白さ!新吉の性根というものを把握して聴くと、その一つ一つの言動が了解できます。
私は、この速記本が不変の経典のようなものとして存在するのかと思っていたが、そうではないのですね。各演者がそれぞれに工夫して口演しているのですね。たとえば、新吉が豊志賀の家に手伝いとして寝泊りするようになる所は、圓生のCDでは、女中が病気のためいなくなり、手が足りなくなった豊志賀にその弟子たちが新吉を推薦するというものなのだが、速記本では、“其中に手少なだから私の家に居て手伝って”とあるのみなのです。
このことは、私が読んだ新日本古典文学大系明治篇のなかの一冊『落語怪談咄集』の延広真治氏の校注で知ったのだが、この延広さんの注、どのレベルの読者を念頭に置いているのか判らないが、こんなことまで注として記さなくともよいのではと思われることまで事細かく書いてある。そのために通読するのにかなり煩瑣なことは否めない。しかし、その中には基本的事項として知っておいた方がいいものもあるので、一度この本を通読した後は、文庫本で楽しんだ方がよいかもしれない。
私にとっての基本的事項として知ったことは、この長い噺が九十七席に分かれているのだが、この席というのは新聞に掲載された一回分だとの事であり、一回の高座の区切ではないという事。まだ他にもありますが、そういう事どもを知るためにもこの本の注は有意義ではありました。

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