江戸吉原図聚
三谷一馬=中央公論新社
これはまた凄い本である。『明治吉原細見記』も凄い本だったが、それに輪をかけて凄い本。著者が<はじめに>の冒頭で“本図聚は、江戸吉原のすべてを絵によって再現しようとしたものです”と述べているが、その言葉が全てを物語っている。“本図聚及び附録の三百枚近い絵は、すべて当時の版画類や黄表紙、人情本、洒落本、滑稽本、読本、草双紙などの挿絵類から”著者が復元したものであり、その全てが私にとって驚きであり有益であった。だから、どこかを引用してここが素晴らしいとかは言えない。とにかく全てが素晴らしいのだ。
この本は、はじめ立風書房から出ていたものを限定八百部で復刻出版したものの内の第二十二番目。値段も五万五千円。立派な本である。本冊の絵と、別冊の解説書、附録とに分かれているのだが、本冊がなかなか重く、解説書の文とを交互に読み進めていくのはなかなか大変だった。寝転がって読むというわけにはいかなかった。読み終わって、レファレンスブックとして必要だと思い、どうやら、文庫でも出ているようなので、神保町の大型書店を探してみたが在庫がなかったので、オンライン書店で注文した。届いた文庫版をパラパラと見てみると、やはり版型が小さい分、図が小さくなって見難い欠点はあるがハンディであることは間違いない。ただ、解説書の中に描かれていたカット類が文庫版では省かれているものがあるようだ。
この本を読んでいたお陰で、馬石の噺もより一層楽しめた。新吉原を解説したこの本は、郭噺を聞く際には必携の書物だと思う。
あぁ、私も紙花を散らしてみたい。
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