黒門亭六月第五週
◆会場=落語協会
◆日時=2007年6月29日(金)18:00開演
△古今亭志ん坊 「手紙無筆」
△三遊亭たん丈 「牛ほめ」
◇五街道弥助 「夏泥」
仲入
◇五街道雲助 「よかちょろ」
◇桃月庵白酒 「山崎屋」
予報より早めに降り出した雨の中、すでに十数人の人が並んでいる。そのためか、早めの開場。早めに開場したために、前座が二名登場することに。
志ん坊は、志ん橋の弟子だそうだ。予定外のためにメクリもない高座。
私は、たん丈が好きだ。以前にも書いたが、最近はマクラでは自虐ネタを話し、自身を突き放そうと努力しているように思える。しかし、聴き間違いによるシクジリという今日のマクラは、やや空振りの様子。本題では、与太郎の表情も違和感なく楽しめたが、親父の表情が、そのどことなく村松友視に似ているその表情がなんとなくペーソスがあって、なかなかに良い。将来、人生の哀歓を語れる噺家になれるのではなかろうか。
弥助は、マクラで馬石のウワサ。馬石、大変に忙しいそうだ。また、泥棒の小咄(鯉が高い)も大いに受けて、ここで降りてもいいのだが、と言いつつ本題へ。これも楽しめました。
雲助の弁によると、師弟リレーということは、師が頭にくるので、私が始めに噺すことにした、別に難しい噺を避けたわけではないとのこと。久し振りに聴く「よかちょろ」、踊りの仕種も入り、乙な高座でした。
白酒の「山崎屋」が、今日一番の面白さ。終わった後に、二人連れの女性が、「山崎屋」って面白いわね、と話し合っていたが、噺自体も確かに面白いのだが、その功績は大いに白酒の躍動感溢れる演出による所が大きいと思われる。不行跡が露見して額に汗する番頭に若旦那が汗を拭きなよと手拭を差し出すところなどは圓生の型か。
躍動感溢れる高座が多かったからという訳でもなかろうが、今日の高座は、とにかくミシミシとよく鳴っていた。今までは、このようなことはなかったと思うが。やや、噺に水を差す結果となった。
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