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2007.06.01

五代目古今亭志ん生名演大全集47

古今亭志ん生=ポニーキャニオン 「子別れ(中・下)」「水屋の富」
いくつかの「子別れ」を聴いたが、この盤は特異でもあり面白さも格別である。子供の名前が亀ちゃんではなく金ちゃんであること、玄翁ではなく金槌であることは、志ん生の他の盤も同じであるが、鰻屋へは翌日ではなく当日に行くこと、母親から“男の子は男親につくというからお父ちゃんのところに残りな”と言われて、金ちゃんが“嫌だい、お父ちゃんのところにいるのなら、日本に居たくない”と言うところや、夫婦喧嘩の仲裁に入った半公が、自分の所の夫婦仲がどんな風かを長々と愚痴る所とか、金ちゃんが親を一緒にさせるために鰻屋の二階で必死になって、“今日、学校で先生が子供の幸福とは何かについて話してくれた。子供の幸福とは上手いものを食べたり贅沢をすることではなくて、両親が揃っていることだって。だったら、あたいは幸福ではない。幸福にしてくれよ”と言う所などはこの盤が他の盤と大いに違う所であろう。特に、金ちゃんの言う“幸福にしてくれよ”という叫びは涙なしでは聴くことができない。志ん生からこういうセリフを聴くとは思いもしなかった。
この盤は、草柳さんも推薦しているし、また、多くの落語聴きの先達の諸氏からは、何をいまさら、と言われるでしょうが、遅まきながらこの盤を聴くことができて幸せに思っています。

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