喬太郎落語秘宝館別館
柳家喬太郎=ワザオギ 「冬のそなた」「国民ヤミ年金」「巣鴨の中心で、愛をさけぶ」
“賞味期限のある新作落語を集め”たのがこのCDで、別館という名前もその意味でつけたらしい。今輔も言っていたが、新作落語は特に時事ネタとなるといわゆる捨てネタとなるのが宿命らしい。だから、そういうものも記録として残しておきたいとも言っていた。その今輔の意思が、こういう形で残るということは喜ばしいことだ。
収められているこれらの作品は、あるいは出番30分前の楽屋で、あるいは会の直前に喫茶店でというように作られた。その才能に感嘆してしまう。啄木なども一日に何首も溢れんばかりに短歌ができたそうだが、思考回路がもうそういうふうになっているんだろう。
解説で大友さんが五代目柳家つばめの著を引用しながら言っているが、まさに演者と観客が刹那のコミュニケーションを楽しむという落語の本質は“キワモノ落語”でこそ堪能できるのかもしれない。
喬太郎の高座はマクラも面白いのだが、このCDでは、さん角(現・さん弥)が話題にのぼり、もし天才バカボンが実写で映画化されたらさん角はレレレのおじさん役として最高なのではというようなことを語っていたが、言われてみると成程と納得してしまう。また、この日の下座の恩田さんは喬太郎の大学の後輩だそうで、ある打ち上げで飲み屋を出た所で、路上で着物姿で“日大節ーッ”と大声を発したそうだ。素晴らしい!
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