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2007.03.07

五代目柳家小さん落語傑作選(其の十)

柳家小さん=NHKソフトウェア 「八五郎出世」「たぬき」
わが街の図書館にも、最近、DVDが資料として備えられるようになった。おかげで、このような落語関連のDVDも観られるようになった事はありがたいことである。ただ、ソフトは次第に充実されても、その資料のデータが十全でないので検索するのに余分な手間がかかる。ただ入力していればいいだろう、というようなデータなのである。利用者の便は全く考慮されていない、という代物である。
さて、愚痴はこれくらいにして、この小さんのDVD全10巻もこれで全部観たことになる。そして、少しずつ小さんが面白くなってきた。この巻に収められた「たぬき」などは、その最たるもので、狸の声などは、今まで聴いた噺家のどれよりも素晴らしく、なるほど、狸が声を発したらきっとあのように発するであろうと納得されるものなのである。自身の言う“狸の了見になれ”が如実に体現されたものだと感服した次第。この「たぬき」、通常、よく耳にする「狸の札」と珍しい「狸の鯉」が入っている。「狸の鯉」は初めて聴くので、まさに僥倖である。なお、「狸の札」と「狸の鯉」の間に、蕎麦屋に十銭の勘定を払う場面も挿入されていた。もう一席の「八五郎出世」は、八五郎が、殿様から普通に話してよいと言われて普通に殿様に語り終えるまで。両方とも、『夜の指定席』という番組で放送されたもので、「八五郎出世」が約25分、「たぬき」が約35分。時間と演目からして、「たぬき」が中身の濃いものになったのも頷ける。
このシリーズ、一巻の収録時間が大体60分未満。二巻分を一巻にまとめられる長さだ。無理に10巻のシリーズにしているようで、消費者には困ったことではある。そして、NHKは概して、その放送日時と放送した番組をパッケージに記載するようだが、我々が欲しい情報は、収録場所とその日時だと思うが、如何なものでしょうか?
このシリーズの九巻目に収録されている「御慶」、これもなかなか結構なものだが、これが収録された場所はどこであろうか?畳の席なのだが、改築される前の池袋演芸場だろうか?御存知の方、どうぞ御教示下さい。

↓第九巻「御慶」
Memory01

*HMVの情報に『落語研究会:柳家小三治全集』と題したDVD全10巻のセットがソニーからリリース(2007.06.27)される旨があったが、これは小三治の落語研究会での高座を映像化したものなのだろうか。だとしたら、楽しみである。そして、続いて志ん朝のものもリリースして欲しいものである。

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コメント

いつも面白いブログ拝見しています。
写真からすると、上野本牧亭のはずです。
(池袋はもっとぼろかったです)

投稿: naohisa | 2007.03.14 23:26

貴重なコメント有難うございます。
遅れて来た噺聴きたる私は、よく知らないのですが、広小路にある本牧亭なのでしょうか?あすこにもまだ入ったことはないのですが。
naohisa様は、かなりのキャリアとお見受けしますが、これからも、宜しく御教示下さい。

投稿: 龍→naohisa | 2007.03.15 00:10

いまの本牧亭ではなく、平成元年だったかに閉鎖した旧本牧亭ですね。↓写真。
http://www.page.sannet.ne.jp/kazzp/rakugo/futa311.jpg
柳亭市馬さんの若い頃です。
(同じ高座ですよね?)

わたし35才で落語歴ちょうど20年くらいです。よろしくお願いいたします。

投稿: naohisa | 2007.03.15 00:20

重ねてのコメント有難うございました。
また、貴重な写真の情報まで教えていただき、感謝しております。しかし、市馬師匠、お若いですね。
naohisa様のキャリアには到底足元にも及びませんが、こちらこそ、宜しくお願いいたします。

投稿: 龍→naohisa | 2007.03.15 00:37

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