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2007.03.13

三遊亭圓歌独演会(参)

三遊亭圓歌=キング 「宮戸川」「品川心中」
このCD、去年発売されたものだが、録音は昭和55年。図書館で検索していたら目にとまる。聴いてみると、思いもかけず貴重なCDとなる。というのも収録されている「宮戸川」が、サゲまで演じられているのだ。落雷を縁にして結ばれたお花と半七。霊岸島の伯父の粋な計らいで夫婦になり、父親から貰った勘当金で横山町に小僧と女中との四人の小さな店を構える。そうして三年経ったある日、小僧と浅草まで出掛けたお花は、雷門で雷に逢い癪を起こし気を失う。そこへ通りかかったゴロツキ三人になぐさみものにされた上に、宮戸川に投げ入れられる。半七は、いなくなったお花をほうぼう探したが、結局、見つけることができず、お花がいなくなった日を祥月命日として、その一周忌に墓参りを終えた帰りに乗ったチョキ舟で、そのときの三人組のうちの二人、カメとトク(もう一人はキチ)に出会う。そして、一部始終を知る。ここで鳴物が入り芝居仕立てとなり、双方が睨み合う所で小僧に起こされ夢と知れる。サゲが“夢は小僧の使い”。なるほど、なるほど、こういう噺ですか。隅田川馬石などにも演ってもらいたい噺だ。たっぷりと芝居仕立てで。
約四半世紀も前の高座だが、圓歌の伝法な口跡も勢いがあって、なかなかいいものです。ただ“山のアナアナ”だけの人気ではなかったんですね。

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