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2007.02.19

滝田ゆう落語劇場

滝田ゆう=ちくま文庫
滝田ゆうの漫画を見るのは、本当に何年ぶりだろう!『寺島町奇譚』以来か?今、ちくま文庫が落語文庫と銘打った帯を巻いて、フェアをやっているもののうちの一冊。
この本、入門書としても、なかなか良いのではないでしょうか?全38篇の演目の大略が手際よく描かれているし、描かれている絵も、各々の噺の世界の雰囲気をよく醸し出している。例えば、「明烏」で、烏がアー、アーと鳴いて夜が明けた郭の廊下を描いた一コマ(462頁)。また、言葉の意味も絵が入っているから、判りやすいですしね。あまた出ている入門書の類の中でも一番に推したい。
「紙入れ」のオチは、“女房を寝取られても気が付かない、そんな亭主の顔が見たいよ”という女房の言葉を受けて、亭主が、“見せてやろうか。それは、こいつだ”と言って、自分の顔を指す、というもの。こんなオチは初めてだから、まさか著者の創作ということもあるまいに、と思いながら、『落語事典』で調べてみたら、このオチは上方のものだとか。いや、勉強になりました。しかしながら、この上方のオチの方が、リアリティがありますね。
そうそう、懐かしいと言えば、吹き出しの中に描かれている一個の絵。それが、何を意味しているか、判るものもあればそうでないものもある。なんともいえない絵です。
滝田ゆうに関して、最近、『ぬけられますか』とい本が出版されている。これも、読んでみようか?

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