立川談志・71歳の反逆児
NHKBShi(2007.02.20放映)
この番組、ドキュメントとして楽しんだ。談志が噺を抜くということは、これまでもあったのではなかろうか(「芝浜」ではなかったとしても)?ただ、この事態が老いという事象にマッチした談志の今の有り様ということで、このドキュメントは始まったのではなかろうか?老いを前に周章狼狽し、いろんな言葉を吐く自分を気障だ、みっともないと談志は承知している。それこそ、業として肯定すればいいじゃないかとも。しかし、また、こういう姿も賛否分かれるのであろう。曝け出す姿をよしとする者もあれば、いや、多くの人が、こういう場合何も言わず耐えて生きているんだと言う者もあろう。
太田光が、談志の落語はセックスと同じだと言っている。一瞬のエクスタシーのために、じっと聴いていると。私は、ビデオで或いはCDでしか聴いたことがないので、その辺はよく判らないが、しかし、それらは擬音、擬態が頻出するものだった。そういう落語だから、談志が嘆く、笑うべきでないところで笑う観客が現われるのではなかろうか。そして談志は自身言うところの笑われ屋となる。
『談志百席』が図書館にあったので、以前、聴いてみた。その何枚かを聴いて、あとは聴かなかった。本を読んでいるかのようだった。この番組で、そのCDの録音の様子を映していたが、やはり、チラチラ原稿を読みながらのものだった。納得した次第である。
貴重な映像もあった。談志が小ゑん時代の映像で、『反対俥』を演っている。いわゆる談志を髣髴させる映像だ。また、最近の高座の模様でほんの少し流された『鼠穴』、これは全編聴いてみたいとも思った。
全く関係ないことだが、太田光は談志の若い時になんとなく似ているような気がするのだが。いかがでしょうか?
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