落語研究会(第457回)※
◆会場=国立劇場(小劇場)
◆日時=2006年7月19日(水)18:30開演
◇柳家三之助 「かぼちゃや」
◇古今亭菊之丞 「浮世床」
◇瀧川鯉昇 「船徳」
仲入
◇橘家圓太郎 「悋気の火の玉」
◇入船亭扇遊 「井戸の茶碗」
◆会場=国立劇場(小劇場)
◆日時=2006年7月19日(水)18:30開演
◇柳家三之助 「かぼちゃや」
◇古今亭菊之丞 「浮世床」
◇瀧川鯉昇 「船徳」
仲入
◇橘家圓太郎 「悋気の火の玉」
◇入船亭扇遊 「井戸の茶碗」
笑芸人=白夜書房
この号は、あまり見るべきところはない。高田文夫に関する記事が目立つ。そのなかで、良かったなと思ったのは、志ん朝、吉朝の共に物故者の記事。
志ん朝の元マネージャー前島さんが語った中で印象に残ったのは、“「前さん、やっぱ、滑稽噺を突き詰めていきたいな」とも言ってました。”という志ん朝の言葉。志ん朝の突き詰めた滑稽噺を聴いてみたかった。それと、よく言われる志ん朝のドイツ好き。これに関して、前島さんは、志ん朝が“一コース三ヶ月の講座を二回行って、完全にマスター”したと言っているのだが、志ん駒なんかは、違うんじゃないのみたいなことをどこかで言ってたように思ったのだが。
亡き吉朝について、弟子たちが各々思い出を語っている。その中で、最後のひと月あまり、ほとんど毎日を師匠と過ごしたという吉坊は、棺桶の中に入れるものを決めるとき、眼鏡の次に、奥さんから“吉坊”と言われたらしい。弟子冥利につきますねぇ。
思いのほか面白かったのは、付録のCD。これは、高田文夫から出されたファン倶楽部、カテキン、革の財布の三題噺をSWAのメンバーでネタを創り、それを白鳥が高座で演じたもの。これが、ちょっとした人情噺風になっている。
春風亭柳桜=うなぎ書房
柳桜の、その凄まじい体験の前に、言うべき言葉は何もないのだが、数々の病と闘いながら、それらを天命として、不死身の噺家として生きていくという柳桜にとって、やはり大きかったのは、看護婦さんである別れた奥さんの存在であろう。その知識、情報を駆使して、柳桜の幾つもの病に的確に対処してきた役割は大きい。今、朝日新聞の夕刊に日本のブラック・ジャック達を紹介しているが、我々一般人がその恩恵を授かる機会はあるのだろうか?その記事を読むと現在の日本の医療現場は恐ろしいものがある。その日本の医療現場で最良の治療を受けられた柳桜の僥倖があると思う。
西荻で世話になっている人々の柳桜に対しての忌憚のない言葉、右足を切った後、開いてくれた落語会の名に、“一本立ちの会ってシャレきついですか?”と言った昇太、右足切断に続いて左足を切断することを報告に行った末広亭の故おかみさんの“あんた、がんばってヨ!”という言葉、そして両足切断してからの“うちはいつでもかまわないから、あなたが出たいと思ったらそういってちょうだいね。いつでも出番をつくるからね”という言葉、日暮里特選落語会の番頭である立川談幸に、迷惑をかけるからと、この会を抜けると言ったときの、談幸の“足切ったって喋れるんでしょ、落語。だったら待ってるよ”という言葉。これらの言葉に支えられて柳桜は生きている。
春風亭柳昇の弟子には、全て、柳か昇の一文字が入っており、新作派は昇が、古典派は柳が入るということを、この本で知りました。
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