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2006.06.15

図説 落語の歴史

山本進=河出書房新社
これは、なかなかタメになりました。タイトル通りに写真も豊富で視覚的にも楽しめました。落語の歴史を読むときにネックとなるのが代数。何代目の何某というのが頭に入りにくくて困ることがある。しかし、この本を読んでも判ることだが、代数そのものが結構、いい加減なんですね。結局、我々の何某ということでいいのかもしれない。
昭和32年に歌奴と三平が、上野鈴本で二つ目でトリをとったというのは初めて知った。こういうことが許されたのだろうか?席亭の力というものがそれほど、強大なのだろうか?正蔵の九代目襲名もやはり人気を優先させたというところだろうか。
また、面白かったのが、この正蔵の名跡。八代正蔵の誓言は有名だが、これを返上するにあたり現正蔵の母親(あるいは祖母?)がチクリと一言“少々、遅すぎました”と言ったとかその正蔵の本に書かれてあったが、しかし、この本によれば、七代正蔵も小三治と言う名跡を小さん派から返上するように強く言われ、そして正蔵を襲名したとある。これなどを読むと、どっちもどっちだなぁとは思う。

*上記した現正蔵の本というのは、『九代正蔵襲名』のことだが、確認のため図書館で借りてみたら、そのような記述はないですね。代数問題に関しては、ここでも山本進氏が詳細に述べています。恐らく、当方、TVかなにかで聞いたことを勘違いしたのかもしれない。

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