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2006.06.29

金原亭馬生名演集(四)

金原亭馬生=コロムビア 「八五郎出世(妾馬)」「うどんや」
しかし、「八五郎出世」での都々逸、「うどんや」での“なべや~きうどん”という売り声、なんといういい声なんだろう!これを聴くだけでもこのCDを買った価値はありました。「八五郎出世」は未所有の演目(もう、あまり言いたくはないんだけれども、これなんぞは、あえて、(妾馬)としたのは、妾馬の方がまだ通りがいいからこの名も付けたというところではないのか。このシリーズ、内容的には不満はないのだけれども、何度も言っているが、演目名の付け方に大いに不満がある。売らんがための魂胆が露骨)。この会場での客、本当に良く笑ってる。当方もこの会場に居て一緒に笑いたかった!恥ずかしそうに“もったいないから、白粉をお拾い”というクスグリ(これは、「妾馬」でのお決まりのクスグリだそうな)を言う馬生の表情を観たかった。八五郎が酔って、お鶴に母親が寂しがっていると言うところは、もっと濃厚に演ろうと思えば演れるのだろうが、そう演らないのは、馬生の見識か、それともスタイルか?しかし、それでいてその情愛というものはかえって感じられるのだけれども。
「うどんや」も良いです。ある意味、滑稽噺だけれども、泣ける噺でもあります。それは、酔っ払いの知り合いの娘とのエピソードもさることながら、うどん屋の職業上の悲哀というものがあるペーソスをもって語られているからですね。

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