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2006年6月の11件の記事

2006.06.29

金原亭馬生名演集(四)

金原亭馬生=コロムビア 「八五郎出世(妾馬)」「うどんや」
しかし、「八五郎出世」での都々逸、「うどんや」での“なべや~きうどん”という売り声、なんといういい声なんだろう!これを聴くだけでもこのCDを買った価値はありました。「八五郎出世」は未所有の演目(もう、あまり言いたくはないんだけれども、これなんぞは、あえて、(妾馬)としたのは、妾馬の方がまだ通りがいいからこの名も付けたというところではないのか。このシリーズ、内容的には不満はないのだけれども、何度も言っているが、演目名の付け方に大いに不満がある。売らんがための魂胆が露骨)。この会場での客、本当に良く笑ってる。当方もこの会場に居て一緒に笑いたかった!恥ずかしそうに“もったいないから、白粉をお拾い”というクスグリ(これは、「妾馬」でのお決まりのクスグリだそうな)を言う馬生の表情を観たかった。八五郎が酔って、お鶴に母親が寂しがっていると言うところは、もっと濃厚に演ろうと思えば演れるのだろうが、そう演らないのは、馬生の見識か、それともスタイルか?しかし、それでいてその情愛というものはかえって感じられるのだけれども。
「うどんや」も良いです。ある意味、滑稽噺だけれども、泣ける噺でもあります。それは、酔っ払いの知り合いの娘とのエピソードもさることながら、うどん屋の職業上の悲哀というものがあるペーソスをもって語られているからですね。

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2006.06.27

落語研究会(第456回)※

◆会場=国立劇場(小劇場)
◆日時=2006年6月27日(水)18:30開演
  ◇五街道佐助 「金明竹」
  ◇柳家甚語楼 「夏どろ」
  ◇立川談春 「三軒長屋」
 仲入
  ◇三遊亭歌武藏 「胴斬り」
  ◇林家正蔵 「仔猫」

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2006.06.26

花緑がナビする大人の落語ことはじめ

柳家花緑+小野幸恵=近代映画社
これまで出版されている落語関連のMOOKがやや若者向けだからなのか、この本、大人の、と銘打っている。しかし、装丁は雰囲気がそれらしいけれども、内容的にはどこが大人の、かはよく判らない。小野幸恵さんという方、最近、落語ブームに乗ってか、落語関連の書籍をよく出されているようだ。
鈴本の席亭が花緑との対談で、「持参金」という噺は、女性を妊娠させて金で売るという酷い噺だから、鈴本では禁演落語にしていると言っている。当方、この噺、まだ聴いたことがなかったので、南光と小遊三のを聴いてみた。確かに、女性の容貌を酷く言っているところはどうかなとは思うが、噺自体は、金は廻るという面白みがあって、禁演にする程かなと思ったのだが。この対談で、枝雀が鈴本にも出たことがあるというのは初めて知りました。
この本でも、簡単に落語の歴史にも触れているのだが、小野さんが記しているこの落語の歴史、山本進さんの『図説 落語の歴史』をそのままコンパクトにした感じなんですね。公式的な要約として、誰が書いても同じような感じになるのでしょうか?山本さんの本には、巻末に参照書籍が列記されていたのですが、このような本の場合には、参照した本を記す必要はないのでしょうか?
「花緑ごのみ」に行こうという章では、花緑の独演会の模様を紹介しているのだが、いろんなことをやっているんですね。プログラムにかみきりと書いていて、美容師を呼んだとか。これは非常にウケたと自賛しています。独演会の模様の写真があるのだが、これが凄い、ほとんど女性ばかり!しかも携帯カメラの砲列。これを見るとちょっと花緑の会へ行くのは躊躇します。やはり、会の構成、演目などもこのような客層に対応したものを考えるのだろうか。
この他、野村萬斎、小林十市との対談など。

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2006.06.20

借金2000万円返済記

快楽亭ブラック=ブックマン社
これも、『快楽亭ブラックの放送禁止落語大全』と同様、凄まじい本。姉妹書と言えるかもしれません。『快楽亭ブラックの~』はネタ本だが、それにも書かれていたいろんな事件・エピソードが、この本には、さらに詳しく書かれてある。羨ましくもあるが、恐ろしくもある。大概は、その一歩手前で、引き返すのだろうが、ブラックはまた一歩前に出る。Y先生もギリギリになって引き返す芸人だと高を括っていたのだろう。Y先生の常識の範囲外にあったわけだ。『あちゃらかぱいッ』に登場した芸人たちにも通ずる最後の芸人かもしれない。
昭和44年、16歳の時に談志に入門し立川ワシントン(談志は別に立川をタチカワと読ませて立川キャンプという名も考えていたそうだ)、その時に、三平が“談志のところに白人の弟子が来た。ウーン、うちは黒人の弟子をとってやる”と悔しがったそうな。それぞれの面目躍如たる面白いエピソード。
最後の唐沢俊一氏との対談で、TBSで倒れたことで、これが縁となって落語研究会にも出演したいと意欲を燃やしている。実現すれば素晴らしいことだ。当方としては、是非、「文七ぶっとい」を演ってもらいたい。

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2006.06.16

桂文珍17

桂文珍=ソニー 「悋気の独楽」「七度狐」
2004年11月13日の収録。マクラの面白みは相変わらず。客をツカムのが本当に上手い。「七度狐」が面白かった。まず、鳴物が全く邪魔にならず噺と調和して聴けた。これは、下座さんが上手い下手と言うことではなく(当方、勿論それを判断できるほどの知識もない)、上方噺での鳴物がなかなかなじめないのだが、この噺では、なんの違和感もなく聴けた。むしろ、噺と相俟って、より楽しく聴けた。
この噺、最近は、タイトル通り七度騙すことはあまりないそうだが、文珍、七度騙しを演っています。解説の小佐田さんが、米朝の七度騙すことに否定的な意見にもめげず、文珍に暗に頼まれて創ったそうです。たしかに、米朝が言うようにくどくはなりますかねぇ。

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2006.06.15

図説 落語の歴史

山本進=河出書房新社
これは、なかなかタメになりました。タイトル通りに写真も豊富で視覚的にも楽しめました。落語の歴史を読むときにネックとなるのが代数。何代目の何某というのが頭に入りにくくて困ることがある。しかし、この本を読んでも判ることだが、代数そのものが結構、いい加減なんですね。結局、我々の何某ということでいいのかもしれない。
昭和32年に歌奴と三平が、上野鈴本で二つ目でトリをとったというのは初めて知った。こういうことが許されたのだろうか?席亭の力というものがそれほど、強大なのだろうか?正蔵の九代目襲名もやはり人気を優先させたというところだろうか。
また、面白かったのが、この正蔵の名跡。八代正蔵の誓言は有名だが、これを返上するにあたり現正蔵の母親(あるいは祖母?)がチクリと一言“少々、遅すぎました”と言ったとかその正蔵の本に書かれてあったが、しかし、この本によれば、七代正蔵も小三治と言う名跡を小さん派から返上するように強く言われ、そして正蔵を襲名したとある。これなどを読むと、どっちもどっちだなぁとは思う。

*上記した現正蔵の本というのは、『九代正蔵襲名』のことだが、確認のため図書館で借りてみたら、そのような記述はないですね。代数問題に関しては、ここでも山本進氏が詳細に述べています。恐らく、当方、TVかなにかで聞いたことを勘違いしたのかもしれない。

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2006.06.14

金原亭馬生名演集(五)

金原亭馬生=コロムビア 「錦の袈裟」「お富与三郎
「錦の袈裟」、未所有の演目。郭噺の会での一席。出囃子なし。めくりもなし。客の拍手に迎えられ、マクラで、“以前はこんな風で”といいながら、圓喬の高座をスケッチしてみせる。馬生の与太郎、いわゆる与太郎という感じはなく、皆から愛される優しくてちょっと頼りない年下の亭主というところ。解説で、保田武宏氏が“志ん生の長所が、馬生に生かされている”と書いているのだが、志ん生の「錦の袈裟」、名演大全集などには収録されていないようだが、音源はあるのだろうか?
「お富与三郎」、以前に「与話情浮名横櫛」という演題で同じコロンビアから出ていた。全く同じ音源。これなど、演題を変えた理由はなんだろう?前にも書いたようにちょっと納得がいかない。まぁ、これは事前に同一音源だと承知はしていたのだが。
しかし、このシリーズ、ジャケットの写真がとても良いですね!寺島靖国さんではないですが、ジャッケットで買った部分もかなりあります。

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2006.06.10

色川武大 阿佐田哲也全集・14

色川武大=福武書店
「あちゃらかぱいッ」「寄席放浪記」「なつかしい芸人たち」収載。
「なつかしい芸人たち」は、以前に新潮文庫で読んでいた。今、新潮オンデマンドブックスで3,000円だとか。
なにから書いていいのか?ただただ、ここまで淫することができた作者が羨ましい。その作者だからこそ、“昔、僕は席亭になるのが夢だった”という言葉がリアリティのある見果てぬ夢として納得できるのだろう。「あちゃらかぱいッ」で通奏低音として流れているのは、土屋伍一いうところの“どうってことないよ。死んだって、生きたって――”という言葉だろう。だから、おおかたの浅草の芸人が哀しい死に方をしたといっても、それは、あくまでも傍の人々のいらぬお世話なんだろう。当人たちは、勝手なことをしてそれで死んでいくのだから。
面白いのは、「寄席放浪記」で、談志と作者が対談しているのだが、共通している話題は、そんなにはないのですね。自分が見て知っていることをただ喋っているんですね。やはり、自分のことしか語れないんです、結局は。
世の中を“苦笑しながら”生きていた色川さんの雰囲気が味わえたという思いです。

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2006.06.04

笑わせる側の人生

矢野誠一=青蛙房
あとがきで、筆者も述べているように、この本のなかでも重複する部分があるし、また、筆者のこれまでの著書とも重複する部分が少なからずある。Ⅰ私の「寄席」遍歴、Ⅱ話藝の周辺、Ⅲ笑わせる側の人生、と三つの項目で構成されており、頁数が一番多いのはⅡであるが、これは落語以外の話芸に言及されている。やはり、当方としての興味は、噺家のスナップショット的なⅢにより多く集まるし、筆者の面目躍如たるところでもあろう。
畢竟、“落語の魅力は、究極のところ物語をこえた演者の語り口の個性にある”からであり、筆者のこの言に納得するから、氏の書物を読むのであるのだが。

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2006.06.03

金原亭馬生名演集(三)

金原亭馬生=コロムビア 「千両みかん」「品川心中」
このCDも、未所有の演目の「千両みかん」がお目当てで買ったのだが、「品川心中」が、思いもかけない拾い物。以前、ビクターから出ていたものは所謂(上)の部分で終わっているが、このCDでは、54分たっぷりと「仕返し」とも題の付く所謂(下)まで演っている。たしかに、下の部分は噺自体が面白みにはかける嫌いがあるが、「品川心中」を通しで演っている音源があまり無いので、これは貴重だと思う。今まで聴いたCDだと、大抵は、紋日という言葉がでてきたが、このCDでは、この言葉は出てこなくて、移り替えという言葉が出てくる。ニュアンスとしてはどう違うのだろう?
「千両みかん」、ある日突然、なにもかもをも投げ出して人生を棒に振る番頭に共感してしまいます。みかんを手にした店の名を馬生は、千惣(?)と言っているようだが。

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2006.06.02

立川談春/来年3月15日

立川談春=アルドゥール 「紺屋高尾」「明烏」
図書館から借りる。感想?登場人物が全て“なに?”“ね”という言葉・語尾を頻用するので、皆が同じに思えるのだ。想像力を働かせてその場面を構築することが出来ないのだ。ヤンキーがタメグチでペチャペチャと喋っている風にしか聞こえてこない。正直言って、聴いてて不愉快になる。もう、談春に関しては触れないことにする。

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