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2006年5月の12件の記事

2006.05.31

落語研究会(第455回)※

◆会場=国立劇場(小劇場)
◆日時=2006年5月31日(水)18:30開演
  ◇三遊亭歌彦 「宮戸川」
  ◇柳亭左龍 「蛙茶番」
  ◇柳家権太楼 「青菜」
 仲入
  ◇五街道雲助 「松曳き」
  ◇柳家さん喬 「鰍沢」

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2006.05.30

柳家さん喬3

柳家さん喬=ソニー 「唐茄子屋政談」
2005年7月16日の収録。小さい声と大きい声との幅がかなりあり、その小さい声の方がボリュームを上げないと聞き取りにくいことがある。情景描写に奥行きを持たせるために、さん喬自身、声にもピアノからフォルテまで駆使したのだろうか?
さん喬のこの噺、初めて聴くのだが、さん喬らしい人情味溢れたもので、倒れた徳三郎の唐茄子を売ってやる男の“いい叔父貴だなぁ。俺にもそういう叔父貴が一人でも居ればなぁ”というセリフは、寡聞にして初めて聴くが、さん喬らしい演出だと思う。また、徳三郎が叔父に売上金が無い訳を話す件は、一つの芝居を観るかのようです。
どうでもいい事が一つ。マクラで、志賀直哉の名をシガナガヤと言っている様にも聞こえたのだが。
解説は、長井好弘氏が書いているのだが、この方、ちょっと、自分の話が長すぎはしないか。そして、事あるごとにY新聞社と必ず触れるような気がする。

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2006.05.26

金原亭馬生名演集(二)

金原亭馬生=コロムビア 「花見の仇討」「白ざつま」
このCD、「白ざつま」がお目当てで買った。当方が所有している馬生のCDにこの演目がなかったからだ。しかし、解説を読んでがっかり。「白ざつま」は、「菊江の仏壇」の別名だというではないか。それだったら、以前、テイチクからでていた日本の伝統芸能シリーズのなかの一枚として出ていたものを持っているのだ。全く同じものではないのかと心配になって録音年月を調べたら、「菊江の仏壇」の方は、昭和46年6月24日で、「白ざつま」の方は、収録年不明で、5月17日収録となっている。聴いてみても、微妙に違う。だから、別高座なのは確かだ。解説にも、馬生自身、両方の演目名で演っていると書かれている。だから、それぞれのCDのジャケットには、その時に表示された演目名を記してはいるのかもしれない。しかし、そうは思うのだが、例えば、「白ざつま(菊江の仏壇)」と表記してもいいのではないだろうか?ちょっと、不親切に思う。まあ、当方の浅学を指摘されたとしても止むを得ないが。でも、買って損をしたとは思いませんでした。その微妙な違いを聴くのも一つの興趣でした。「花見の仇討」は、昭和55年の録音。声に若干張りがないようにも思われます。咳も多いようでした。

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2006.05.22

快楽亭ブラックの放送禁止落語大全

快楽亭ブラック=洋泉社
書籍収載演目=「道具屋・松竹篇」「イメクラ五人廻し」「英国密航」「反対俥」「文七ぶっとい」「川柳の芝浜」「一発のオマンコ」「怪獣忠臣蔵」
CD収録演目=「道具屋・松竹篇」「全女番」
いや、凄まじい本です。始めに、付録のCDを聴いたのだが、その内容の凄いこと。川柳やさん八など、可愛いものです。ブラックにはタブーってのはないんですね~。皇室、差別用語、セックス。ブラックの落語、とにかく初めてなのだが、その声の柔らかなことにビックリ!その声質が、これらの放送禁止用語をオブラートに包んでいるのかもしれない。「全女番」は、「湯屋番」のパロディで、若旦那が全日本女子プロレスのレフリーになるというもの。
「文七ぶっとい」、文七に五十両を投げつけて走り去るところまでは、まっとうな古典落語で、看板に偽りありじゃないかと思っていたら、これが大間違い。なんと、文七の奉公先が、大人のオモチャ屋。解題で、ブラックが言っているが、前半で人情噺風にタップリと臭く演って、客を泣かす。そして、後半、下ネタで呆れさせる。このCDも是非聴いてみたい。
余談ながら、189頁にある『やくざ忠臣蔵』は、『なにわ忠臣蔵』の間違いであろう。

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2006.05.19

古典落語名作選・其の三

NHKソフトウェア
 ◇三遊亭金馬 「薮入り」(昭和36年2月4日放送)
 ◇三遊亭圓遊 「浮世床」(昭和53年7月14日放送)
 ◇林家正蔵 「中村仲蔵」(昭和51年5月1日放送)
 ◇桂歌丸 「お化け長屋」(平成元年6月23日放送)
古い映像ですが、金馬について、例えば矢野誠一さんなどが言っていることが、納得できる映像だと思います。
圓遊は、うん、なんというか、やはり、ちらほらと出てくる言葉に、古さを感じさせます。
正蔵の「中村仲蔵」、CDで音声のみで聴いてたものが、映像も観られて幸いでした。
歌丸も、お若い!でも、平成元年だから、そんなに昔と言うわけでもないのですが。

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2006.05.18

古典落語名作選・其の二

NHKソフトウェア
 ◇三遊亭圓生 「八五郎出世」(昭和49年1月5日放送)
 ◇三笑亭可楽 「今戸焼」(昭和39年7月26日放送)
 ◇三遊亭圓歌 「品川心中」(平成2年11月17日放送)
 ◇入船亭扇橋 「ねずみ」(昭和54年1月12日放送)
偶々、図書館にありました。其の四、其の五は所有しているのですが。
圓生の収録は、末広亭か?正月五日の放送となっているが、収録はいつだろう?客席には日本髪に結って、和服を着た華やかな若い女性がチラホラ。圓生の高座、観ていると、幾つかの儀式があるみたいですね。右手で頭を掻いて、懐から手拭を出して口を拭い、絡んだタンを懐紙に出し、おもむろにお茶を飲む。噺のほうは、八五郎がお袋を不憫に思い泣くところは、圓生自身も泣いているかのよう。
可楽の、いわゆる“苦虫を噛み潰したような顔”を観る事ができました。「今戸焼」って、馬生なんかが演るのとまた違うんですね。
圓歌、まだ、この頃も、吃音、残ってるのか、と思わせるところあり。
扇橋、いや、お若い!というか、格好いい!イナセ!しかし、口調は、今を思わせるものがあります。

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2006.05.14

権太楼の大落語論

柳家権太楼=彩流社
面白くて一気に読みました。権太楼、若い頃は結構マスコミにも出てたんですね。一つの分岐点が、日曜演芸会が決まっていたために、将来、笑点につながるやじうま寄席を断ったことだとか。やじうま寄席を選んでいたら、今頃は笑点に出ていたかもと。
早い頃から、落語家になろうと決めていて、当時、小ゑんである談志の追っかけだったとか。しかし、大学生の時、談志と会って、“あ、この人とは、いずれケンカするぞ”と読んで、つばめの弟子になったらしい。で、結果として、談志の弟子にならなくて良かったと。なっていたら、今の談志のように、“きぅーっ、えいやっ”というようなことを演ってたろうと。
また、現在の名跡襲名問題についても、名跡は、協会預かりにすべきだ、俺がもっと発言力が増せば、そうするつもりだとか。
積極的発言、批判もあり、興味深く読んだのだが、その批判は、総じて弱者に向けられているように感じた。現在の人気者、実力者への批判は、巧妙に避けられているように思える。談志に対しても批判はしているのだが、それは、談志は天才だと留保をしたうえである。
【中席】権太楼の蔵出し写真帳は、楽しかった。本当の蔵出し。興味深い写真が満載。小三治、さん喬などが写っている草野球チームヨタローズの写真など。
【下席】では、自分自身のことも、赤裸々に語っている。母親が妾の子であることなども。そして、三太楼のことも。三太楼とは、何度も衝突しており、三太楼が真打昇進直前にも、辞めるというところまでいったらしい。
このように、なかなか面白い本なのだが、註が多いのが玉に瑕。この注釈、塚越孝がどうしてもやりたかったんじゃないだろうか。土手組という言葉になんで、5頁も費やす必要があるのだろう。この人、自分では否定しているけれど、本当は、高田文夫みたいに自分も演りたいんではないでしょうか?

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2006.05.08

いろものさん

橘蓮二/高田文夫=河出書房新社
おかげさまで、今ではかなりの数の既知の顔が載っています。しかし、ある日の東洋館の項に出てくる芸人さんは、未見の顔が多い。
仙花が載っている。この人、いつも真剣な表情で演っている。好きな芸人さんです。去年の4月に小花と二人っきりでさん喬を聴く会に出ていたのだが、その頃は、まだ、高座にデビューして間もない頃で、一番前で観ていて、ヒヤヒヤしたものだった。ところで、その小花は、何故、載っていないんだろう?ちょっと、片手落ちでは?
あとがきで、ローカル岡のことに触れていて、“今度、俺の本が出るんだよ。その本の帯を高田先生に書いてもらうことになってね”と話していたそうだが、この本のこと、よほど嬉しかったらしく、あちこちで話していた様子だ。ほんとに、無念だったでしょうね。
当方も、寄席に初めて入ったときには、落語をお目当てに行ったのに、太神楽に、紙切りに、近藤志げるに、一驚し、感動したものです。

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2006.05.07

楽写

林家彦いち=小学館
190頁程のうち、前半、50頁程が文章になっていて、それが、いままで漠然としか判らなかった前座の仕事・日常というものが、彦いちの文章でかなり具体的に判った。
それ以降は、すべて、彦いちが楽屋で写した噺家の表情。その写真に付されたキャプションも楽しい。そのなかの一つ、“幸せとは長い長い不幸の狭間に一瞬の幻のように現われて消えていく”という圓丈の言葉。
SWAの背番号5は、御贔屓さんの5とは初めて知りました。

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2006.05.05

桂ざこばのざっこばらん

桂ざこば=KK・ベストセラーズ
落語の話は、あまりない。酒のこと、家族のこと、芸能人のこと、等々、ざこばの身の回りに起きた事件について語った“大阪を元気にする”というコンセプトの本。そういう意味では、それなりに楽しめました。白浜コンパニオン事件、沢島忠監督の話等も面白かったが、あとがきにある、ざこばが内弟子時代にタチの悪い皮膚病にかかって、苦心して背中に薬を塗っていたら、師匠米朝が“どないしたんや? 薬こっち貸してみぃ、ワシが塗ったる!”と言って、“早よ良うなるんやで!”と丁寧に塗ってくれたという話には泣けました。

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2006.05.04

柳家喜多八Ⅰ

柳家喜多八=ワザオギ 「二番煎じ」「将棋の殿様」
待望の一枚、ついに出ました。先週、山野楽器へ寄ったところ、在庫なし。売れてるんですかね。ジャケットの表紙、決まってます。被っている帽子は故右朝のものだった由。2006年1月14日、座間市・ハーモニーホール座間小ホールでの収録。一席目のマクラでは、初席はザワザワと落ち着かなくてどうもいけない、ということなど。「二番煎じ」、黒川の旦那と宗助さんは、限定出来るのだが、後の人達がどうも限定しにくい。吉原でやっていたという人は、あれは誰になるのだろう?しかし、この人、まるで鶴田浩二にそっくり。また、廻る前に、宗助に土瓶と湯飲みを洗わせておくところは初めて聴くような気がする。
二席目のマクラでは、待ってましたの虚弱体質、柳之宮喜多八殿下。よって、軽く流しますと。この噺、好きです。ライナーノートでも自身が“わがままでも、悪気のない、どこかまっすぐなところのある殿様として演じています”と語っているそのままに演じられていて、すっきりと気持ちの良い喜多八の「将棋の殿様」です。
オマケとして12センチ四方の喜多八直筆(?)の色紙がついてきました。
ワザオギレーベルも図書館に置いて欲しいものです。

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2006.05.03

よってたかって古今亭志ん朝

志ん朝一門=文藝春秋
志ん朝のエピソードを、郡正明、古今亭志ん五、古今亭志ん橋、古今亭八朝、古今亭志ん輔、桂才賀、古今亭志ん馬、古今亭朝太によってたかって語られた一書。であるけれども、現在の各々の置かれてあるスタンスによって多少の発言の多寡、強弱があるのは、やはり、否めないであろうか。八朝、志ん橋の発言のウェイトが大きかったように思う。また、この二人の発言が面白くもあったのだが。
各人の入門時のエピソードも面白いのだが、真打になってからも、長いこと前座仕事をやっていたという志ん上(桂ひな太郎)の話も聞いてみたかった。
志ん朝が、前座時代、楽屋で大きなイビキをかいていたとか、弟子に稽古をつけるときは自分も一度さらってやったとか、分裂騒動で談志の襟首をつかんで詰め寄ったとか、いろいろ、当方にとっては初めての楽しく興味のある話ばかり。
志ん朝の本だけれども、志ん朝を語れば志ん生をも語ることになる。そのなかの一つ、志ん橋が志ん生から「道灌」の稽古をつけてもらって、第一声の『えー、お笑いを一席申し上げます』ばかりを繰り返させられるところ。

「いいか、お前はただ『えー、お笑いを一席申し上げます』って言ってるだろう」
「ええ。だって、師匠がそう言えっていうから……」
「そうじやないの。噺家が最初に『えー』って言うのは、<この後、この人は何て言うんだろう?>って客に思わせるための『えー』なんだ。お前は、ただ『お笑いを一席』って言ってるだけなんだよ」
 その瞬間、目から鱗が落ちたって感じだったね。でも、どう言えばいいのかは分からない。それから毎日一回は、
「えー、お笑いを一席」
 ってやらされたね。

素晴らしい話です。

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