新落語名人選・桂文朝
桂文朝=ポリドール 「時そば」「初天神」「明烏」
今日は、故文朝を偲んで。
遅れてきた落語聴きとして、志ん朝を生で聴けなかったことは残念ではあるけれど、文朝を生で何度かではあっても聴けたことは、幸いであったと思っている。真面目でかつとぼけた表情で語る“マッカーサー”“寄席の言い伝え”等のマクラ、このCDにも入っている「初天神」、などで大いに笑い、また一方で「鼠穴」では、泣きもした。文朝の名を見たら、覗いてみようかというほどになっていたが、2月に入ると協会の今日の寄席に名前が載らなくなり、どうしたんだろうと思いつつ、18日の東京落語会に当日券を求めに行ったが、この日も休演で圓菊(この日の圓菊は酷かった。同じところを二度演っていた)が代バネだった。そして、4月の18日に訃報を聞く。告別式の日、居ても立ってもいられず、文朝が昼席トリの予定だった末広亭に行く。文生が代わりを勤めていたが、芝居は当然のごとく、何事もなかったかのように過ぎてゆく。この間、志ん輔、扇辰、市馬、三太楼などが自身のサイトで誠実な哀悼の文章を記していたが、なかでも雲助のその文章は哀悼する側とされる側との双方の人柄を彷彿とさせるよい文章だった。それからしばらくして東京かわら版に載った小三治と扇橋の対談を泣き笑いしながら読み渇を癒された。将来は、いっぱしの通を気取って、寄席ビギナーのだれかれを誘い文朝のことを教え、“いいですねぇ!”という言葉を聴き、胸をそらす事を夢想したりしていたのだが。
このCD、昨夜、床のなかで聴いたのだけれど、二席目の「初天神」のマクラを例の口調で“元旦から超満員で。末広亭の遠藤支配人から今日の入場者数が発表されまして大体55000人だそうで”というと、客席からも大きな賑やかな笑いが弾けていたが、当方も大笑い。
今後、さらに文朝のCDが例のマクラ入りで発売されることを期待しています。
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