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2006.03.31

文人たちの寄席

矢野誠一=文春文庫
中野翠さんの『甘茶日記』にお勧めの本として出ていたので読む。
Ⅰ文人たちの寄席とⅡ名作の中の藝能と二つの項目があるのだが、Ⅰを面白く読んだ。
色川武大の項で、『寄席放浪記』の中の次のような文を引用している。

たくさん出演者が出てきても、本当にいい高座は一夜に一つあるかなしかで、大部分は辛抱して聴かなければならない。退屈な寄席というものは、相当に苦痛で、居ても立ってもいられない。なぜ自分は貴重な時間をこんなところで過ごしているか、と思う。ところがそこに中毒してくると、まさにその退屈を味わいにきているので、そこが賓沢な遊びだということになるのだ。

当方も全く同感だと思う。ただし、色川さんみたいに中毒するところまでは無論行っていない。そこまでの境地に達するまでは、やはり、お金も随分と掛かるだろうし。
でも、そうして本当にいい高座に出会ったときの喜びは大きい。
もう一つ、小泉信三の項での志ん生との関わりを述べているところは、涙なしでは読めない。
ただ、Ⅱは、ちょっと物足りなかった。各社が出している文庫本の解説のような感じ。

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